2022(第7回)審査員の推薦書籍紹介

8アカウンティングコンペティション2022(第7回)の審査員が推奨する会計学及び周辺分野の書籍です。

谷田充明先生推薦
井手正介 高橋文郎著「ビジネス・ゼミナール 経営財務入門 第4版
会計、ファイナンスから経営戦略に至るまで、幅広く取り上げられている著書です。複雑な数式展開を用いることなく、数値例も豊富に掲載されているので、初学者でも興味深く読む進めることができます。

藤野雅史先生推薦
山本博文著「『忠臣蔵』の決算書
時代劇の定番中の定番「忠臣蔵」。1702年,5代将軍・徳川綱吉の時代に起こった赤穂浪士の討ち入り事件のことです。
この事件の主人公である大石内蔵助は会計帳簿を遺していました。討ち入りというプロジェクトのいわば現金出納帳ですが、この帳簿を読み解いていくと、プロジェクトメンバーの揺れる心の動きまで感じられてきます。歴史に残る事件を支えたともいえる会計の奥深さに迫れる一冊です。

嘉鳥昇先生推薦
相場俊夫著「管理会計のプロを目指す 事業利益管理の実務
企業の本来的な目的は儲けることにある。儲けるための利益管理の仕組みはどうあるべきか。利益管理をビジネスモデルとの対応関係に着目し整理することにより、教科書で学んだ管理会計の知識を真に理解し、さらに応用力と実践力を習得することができる。

白田佳子先生推薦
弥永真生著「『資本』の会計―商法と会計基準の概念の相違
本書は、純資産を構成する「資本及び資本準備金」と損益処分からもたらされる「利益剰余金」について、法と会計上の解釈との相違点を明確に指摘している。「資本とは?」を理解する上で是非一読いただきたい本である。

杉江俊志先生推薦
稲盛和夫著「稲盛和夫の実学―経営と会計
今年お亡くなりになられた、言わずと知れた京セラ創業者の稲盛和夫氏による著書。経営のためには会計の知識が必要だということをシンプルに教えてくれる。20年前に書かれていることを感じさせない著書。

岩佐泰次先生推薦
三枝匡著「ザ・会社改造-340人からグローバル1万人企業へ-
会計学そのものの書籍ではないですが、会計を軸にしたバックオフィスの経験から、ビジネスの最前線へシフトしていくようなキャリアを志向している方にとっては、会計的要素も適宜織り交ぜながら、ビジネスのツボを押さえられるという意味では、良書ではないかと思い推薦します。

金子良太先生推薦
大津広一著「英語の決算書を読むスキル
せっかくですので英語の財務諸表にもいろいろ触れてみましょう

仲尾次洋子先生推薦
大津広一著「ビジネススクールで身につける会計×戦略思考
会計と企業戦略を結び付けて解説している実践的な内容です。一般的な知識として学んできた財務・会計で得られた数字を読み解き、経営戦略に活かすためのステップが事例を多用し、分かりやすく書かれています。

加藤俊直先生推薦
藤原勝法著「銀行は、社長のどこを見ているのか?
いわゆる王道の会計学の書籍ではないが、重要な利害関係者である金融機関(銀行)がどのような観点で見るのかの視点を見るのに適している書籍です。提出した情報がどう利用されるのか、意識を持つ・カバーするのに良いのではないでしょうか。

奥津佳樹先生推薦
國廣正著「企業不祥事を防ぐ
国廣弁護士が著書である企業不正に関連した書籍。企業不正に関連して原因、その発見、並びに再発防止を述べた書籍は沢山あるが、その対策が「コンプラ疲れ」を招いていることも多く、それを脱するためのカギが記載されている今までの視点を考えさせられる一冊である。

石原睦先生推薦
伊藤邦雄著「ゼミナール 現代会計入門 第9版
著者伊藤邦雄一橋大学名誉教授は、経済産業省の各種プロジェクトの座長を務め、その報告書『伊藤レポート』『人材版伊藤レポート』は、日本のコーポレート・ガバナンス改革を牽引し、企業に大きなインパクトをもたらしている。著書では、学生、実務家、職業会計人たちに向けて、本書を通じて得た会計の知識をいかに企業評価に向けて、戦略的に活用するかを説き、より上級の世界に誘う意図がある。事業の言語としての会計のおすすめの本である。

中島真澄先生推薦
須田一幸著「財務会計の機能 理論と実証
本書は、財務会計の理論を体系に説明し、日本企業における財務会計理論と会計手続きの実証研究を実施した学術書である。本書をいつも傍らにおきながら、実証分析をすすめていただきたい。

村山光先生推薦
土屋清美著「ITエンジニアのための金融知識
会計学ではなく金融関係の本ですが、初心者が最初に入門編として読むのに適している本となります。金融業界を希望している人または金融業界の案件を初めて参画する人(コンサル/エンジニア等)にとっては難しい用語などで最初は戸惑うかと思いますが、こちらの本はそういったものを分かりやすく解説してくれる本となります。

細田雅洋先生推薦
玉木昭宏著「計数感覚スキル入門:投資家目線の会社数字に強くなる
投資家の目線から企業価値を高めるにはどうすれば良いかという観点から、会計とファイナンスの基礎知識を習得することができます。

斎藤史貴先生推薦
中央経済社「企業会計
大学の図書館などにも(おそらく)蔵書されるなど手に取りやすいです。併せて「商事法務」もどうぞ。

小野哲矢先生推薦
田中慎一 保田隆明著「コーポレートファイナンス戦略と実践
会計そのものではなく会計の知識を使った応用分野。今や企業の成長戦略にM&Aは欠かせない。基礎と応用の行き来をすることで、より会計というベースの知識も安定し視野も広がると思います。本書は実例を交えて解説されているので実務経験のない学生でも理解がしやすいと思います。

黒木淳先生推薦
桜井久勝著「財務諸表分析 第8版
財務諸表分析は会計学を学ぶ土台だと考えています。まず興味のある企業の財務諸表を確認し、比較、時系列分析することが、会計専門家への第一歩だと思います。

三浦惣三朗先生推薦
國貞克則著「財務3表一体理解法
仕訳を暗記していくという会計学の勉強法から、PLだけでなく、お金を集める→投資する→利益を出すという一連の流れを、全体を俯瞰してみれるようになることで、会計学の美しさ、気持ちよさが理解できます。会計士、税理士、経理部門を目指す学生さんにピッタリな書籍です。

上田晋一先生推薦
川島健司著「起業ストーリーで学ぶ会計
財務会計は、大学の授業やゼミの限られた時間で学ぶには、その範囲も研究アプローチも広くなりました。この本は、会計の歴史、本当に重要な基礎概念、最近の研究まで、これまでの学術の成果をしっかり踏まえながらも、事例とともに楽しく基礎を学べます。

小阪敬志先生推薦
川島健司著「起業ストーリーで学ぶ会計
本書は、実際の企業の設立から20年間の軌跡を追う形で、簿記会計の基本から応用までを包括的に扱っています。簿記や会計の知識が実務でどのように作成・活用されているか、という視点から学べる良著です。

神戸義裕先生推薦
田中靖浩著「会計と経営の七〇〇年史 ―五つの発明による興奮と狂乱
現代ビジネスを支える5つの仕組み(簿記、株式会社、証券取引所、利益計算、情報公開)を整理し、順番に解説しております。軽妙な語り口で紹介しており、会計初学者にも読みやすい1冊となっています。

金鉉玉先生推薦
田中靖浩著「会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ―500年の物語
一部脚色が加わっている部分もあると思いますが、会計の誕生から世界的な広がりまでを気軽に読めます。全体像を掴むのには良いと思います。

阿部秀平先生推薦
田中靖浩著「会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ―500年の物語
ストーリー仕立てで、中世から現代に至るまでの歴史的な背景と共に会計の歴史が解説されています。現在も世界を取り巻く環境に合わせて会計業界は変化し続けていますが、会計の発展の一部だということを再認識できるかと思います。

島吉伸先生推薦
ジェイコブ・ソール著「帳簿の世界史
会計士が歴史の流れを変える大きな役割を果たしてきたことが著わされているとても面白い書籍です。会計を学ぶ意義を再認識できるので、一読してみてください。お薦めです。

菅沼淳先生推薦
ジェイコブ・ソール著「帳簿の世界史
国家の繁栄に会計が大きな影響を与えていることが分かる。ローマ帝国、メディチ家、東インド会社、アメリカ建国、ナチスドイツ、大恐慌、リーマンショックなど。会計への健全な感覚や知識がないと、国家存亡の危機に陥ることがよく分かる本であることから推薦する。

矢澤憲一先生推薦
バルーク・レブ フェン・グー著「The End of Accounting and the Path Forward for Investors and Managers」「会計の再生
本書は実証的な証拠に基づきながら会計情報のもつ意味と今後の課題・展望が議論されています。日本語版も出版されていますので、ぜひ手に取ってみることをお勧めします。

根建晶寛先生推薦
バルーク・レブ フェン・グー著「The End of Accounting and the Path Forward for Investors and Managers」「会計の再生
本書では、過去と比較して会計利益情報、資産情報が株価や時価総額に寄与しにくいことが報告されている。医薬品業界や損害保険業界等を取り上げ、アナリスト等に関心を抱かせる戦略的な財務報告開示のあり方を豊富な事例を取り上げて紹介している。